製造業の落日と若者の諦観

日本の製造業「壊れつつある」−米紙が分析 | 政治・経済 ニュース | 日刊工業新聞 電子版

製造業の会社で働いている「職人」を、「長年の蓄積で磨き上げた巧の技で機械や工具を操る人」と定義するなら、それが今後20年間も強さの源泉であり続ける理由はどこにあるだろうか?

僕が16歳の純粋な若者だとして、「なんで蓄積した技をロボットにやらせないの?その技が会社の強さなら、ロボットで模倣するようにすればいいんじゃないの?」と発した質問に、感傷的な反論以外の論理的な反論はありえるだろうか?

ルールは変わっていく。「失敗の本質」にも、日本が戦術でも勝てなくなったのは、変わるルールに追従出来なくなったからだと書いてあった。その通りだと思う。

翻って、製造業の落日を嘆くなら、ルールが恐るべきスピードで変わっていることを知らない、あるいは知っていて尚過去の栄光に縛られている人たちから発言権を奪うことからしないといけないだろう。

若者は、10年後にはもう今のルールは通じないことはわかっているんだ。
でも声が届かないのは、届いても何も変えられないのは、声を聞いてる人たちが黙殺し、「年を取ればわかる」と言って議論を回避し、成功し利益を生み出し続ける方法を崩そうとしないためだ。

一度得た優位を保ちたくなるのは反射。
リスクを取ることとは、今持てる優位を捨てれることである。

イノベーションのジレンマは、構造的な理由でもあり、人為的なものでもある、と今にして思う。変えられるを変えられぬのは、人の反射のためだ。

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