制度の導入と前提条件

裁量労働制の話がスベってるのは、前提条件について議論されていないから。これだけ。

仕事の定義と仕事の量の管理を行っていないからだ。
仕事の定義が曖昧では全てが自分の範囲となり、
仕事の量を管理しなければ無限に働くことになる。

一人一人が働ける量には当然限度がある。
生産性向上でその天井はやや上がるかも知れないが、際限がないわけではない。

裁量労働制でおかしなところは、そうした根本的な議論がされず、あくまで現状に対して裁量労働制を適用しようとしているから、話が噛み合わないんだ。

裁量労働制を導入するためには、雇用契約の見直し、従業員の仕事の定義、管理者による仕事量の抑制。
これらがマストだ。

メリットもデメリットも、適切な前提の元で議論しなきゃ意味がない。
宇宙服を着たときの効果を地球上で試して意味があるか?
導入し、効果を測定するには、前提をはっきりしておかないと意味がない。

導入したあとに前提を整える戦略なら導入を強行してもいいと思うが、そうでないなら絶対に導入すべきではない。戦略なき一歩は死への行進だ。足音が聞こえなくなったら天使のラッパが後を引き継ぐ。