裁量労働制の前に導入すべきもの

それは、

信賞必罰

である。

働かない高収入おじさんも、残業代目当てでだらだら居残る従業員も、大した成果も残さずきっちり定時で帰る人も、自主退職を促すような部署への異動も、

すべては、

良き結果に報酬を与えず、堕落に罰を与えないから

である。
頑張ってもボーナスで数万増えるだけ。ダラダラ残業代のほうが多い。
そんな状態で誰が、頑張って早く帰ることのほうが金銭的に得だと判断する?誰が、良き結果を出そうと思う?非常に共産的だよ。
生産性悪くても、ダラダラ残業して金もらえるほうが得に決まってるじゃん。

徹夜しても終わらないくらいの業務量?管理監督者に罰だ。
仕事を終わらすスキルが足りない?病気の勉強をしない医者が藪医者のレッテルを貼られないとでも?罰だ。
ツールを活用してみんなの生産性をあげました!よろしい、ご褒美だ。

信賞必罰の仕組みが正しく運用されているだけで、自然と裁量労働制云々ではなく、労働問題の歪みは解消されるのだ。

「君は明日から来なくていい。会社の方針に従わない従業員は必要ない」

ここまで極端でなくてもいいが、実際問題、現実に起こっていることは

「君は会社の方針に従っていないが、解雇するのは難しいし、けど君に居残ってもらうのは他の者に示しがつかないから、別の仕事をしてもらうよ。ちょっとボーナスは減らして査定も悪くするけど、君にも家族や生活があるもんね」

こんな感じだろう。誰も損も得もしない優しい社会だね。結果がこんな感じなら、そりゃあ従業員も会社をナメるよ。だってどんだけお荷物になっても、明日食う飯には困らないんだもの。必要なのは能力じゃない。鈍感な精神と、忍耐力だ。働かない高収入おじさんも、相当な悪さをしない限り逃げ切り確定なら、そりゃあ挑戦なんてしないほうがいい。ましてや、責任の範囲も仕事の範囲も何もかも曖昧な日本社会だ。曖昧なまま部下へ仕事を投げてやっつけてもらうほうがいいに決まってる。いや、非常に合理的だよ。「なぜ働かない高収入おじさんがいるのか?」なんて質問への回答は簡単だ。それが合理的な生存戦略だからだよ。それを止める仕組みがないからだよ。オセロの角を陣取ったようなもんさ。もうひっくり返せないのさ。

信賞必罰をちゃんと機能させ、会社の利益に貢献しなかった人には然るべき措置を取るだけで、労働環境は劇的に淘汰されるのだ。労働環境が良くなるなんて一言も言わない。色々な経緯を経て、淘汰が行われるだろう。
そう、ようは、健全な淘汰が行われていないだけなのだ。今の日本社会は。だから、澱み、歪む。