過当競争と上がらない賃金

定価1000円で売られている商品があったとする。原価は100円としよう。

生産性向上により、原価を圧縮、原価50円まで下げることが出来た。

ここで、企業が取れる選択肢は2つ。
価格を下げて競争力を高めるか、価格は据え置きで利益向上とするか。

昨今の賃金関係のニュースを追っていると、どうしても競争力向上の方に舵を取り続けているような気がしてならない。
競合他社より1円でも安く。それが唯一の生き残る道だ、と言わんばかりに。

賃金を上げるためには、後者の選択肢しかない、と思う。
そして、今の時代、生産性向上のためのツールや手法は溢れているにも関わらず、ここまで日本が生産性を上げることが出来ない理由は、誰しも、従業員への還元がないことが諦めながらわかっているからではないか?

少なくとも僕はそうだ。自分の生産性向上ツールの作成や取り組みは、自分の趣味以外の何者でもない。
生産性向上を図って、自分の給料が上がるなんてことはないのだ。
むしろ、生産性向上を図ったら、給料が減る可能性のほうが高い。

過当競争が諸悪の根元、と言ってしまうことも出来る。
交差点ごとに複数あるコンビニなどは、明らかに行き過ぎだろう。
資本主義は密度を高めるものだと思うが、密度が高まりすぎると自壊する。