起業という選択肢を取るべきは若者なのか?

ふと考えた。どうにも、「若者がこれからの日本を代表する会社を作り上げていくべきだ!」みたいな風潮があるような気がするのだけど、何故若者なんだろう?
例えば、大企業の役員とは言わないけど、大企業の課長や部長クラスの人が、大企業で培ってきた人脈やらノウハウやらを生かして起業したほうが、よっぽど成功する確率が高いんじゃないの?
それとも、そうではない?
あるいは、失敗するリスクが高い?

例えば僕が起業したとしよう。僕はたぶんどこからか資金を募り、協力者を得、ものすごく働く必要があるだろう。
何故なら、成功する確率を高くするために、様々な説得をし、多くの人を動かすための金を得るために奔走しなければならないだろうから。
その時に、話す相手は誰だろう?確率的に言って、50歳以上の人である可能性が高いんじゃないだろうか。
そのとき、僕のような35歳程度の半端な若造はこてんぱんにやられるんじゃないだろうか。認識の甘さに叱責を受けることだろう。

翻って、若者じゃなければどうだろう?
経験に裏打ちされた説得力のある言説、説得の対象と似た年齢であることによる共感性、若者が持っていないであろうアドバンテージを持つ。そういう人に対して起業を斡旋するのが、マーケティングとしてのあり方なんじゃないの?

「失敗するリスクを背負えるのが若者だから」ってのは無しね。失敗するリスクを許容している社会になってるように思えないし、大体失敗前提の起業なら、それこそ片手間でやってみて、大したことないよって言ってみりゃいいじゃん。
日本の大企業のお偉方ってほぼ例外なくおじいちゃん。会社を引っ張っていくのが役員の役目と前提するなら、未来ある若者に席を譲らない理由って何よ?

なんだかなあ。若者を戦地に行かせる大本営の構図をどうしても連想しちゃうね。
建て前と本音ってのはわかってるんだけどさ、その建て前が、事実とすごくズレてると感じるんだよな、最近。