ロボットの未来

レシピとして表せるものであれば、ロボットによる代替が可能。
単純作業を行うだけのロボットには、新たなレシピを生み出すことは出来ない。
よって、人間の凡そ知的な生活の営みの一部として、レシピ考案はロボットに置き換えられることはないというのが今までの論。

翻って今を見れば、人工知能が発達すれば、様々な材料から適切なレシピが生み出されるようになるかも知れない。
知的創造も、ロボットの脳で可能であることが実現されつつある。

ただし、ロボットにはそれが美味しいのかどうかの判断が出来ない。
濃い味が好き、辛いのが好き、そういった嗜好は人間の多様性に根差すものであるが故、人工知能に出来ることは最大公約数の味を統計によって学習することと、ロボットの所有者の好みに合わせてカスタマイズされたレシピを作ることが臨界である。

最大公約数としての知的創造が行えるようになるのが、人工知能の第一段階。
ロボットがコモディティ化し、「個人所有」と言うことが可能になる未来から、人工知能の多様性対応が始まる。

人間の能力のアウトソーシング
それが技術史の本質と僕は思う。
決断すらもアウトソーシングした果てに残るは感覚と知覚。人間を人間たらしめているのは、思考の多様性ではなく感覚の多様性だと信じて…