データのサイロ化と企業構造

ユーザー系SI子会社の作る、親会社のシステムは、データのサイロ化を招くのは構造上当然の事象だと思う。コンウェイの法則そのまんまだ。

 

僕らユーザー系子会社は、親会社より依頼を受けてシステムを開発する。当然システムには、『主幹部署』というのがあり、いわばデータの帰属先、管理部署が存在する。そのシステムをより便利なものにするのは主幹部署の意向であり、経営判断ではない。

 

一方、データを横断的に繋がるものにし、中央的なデータベースから、各システムが疎結合でデータを使用し、ユーザーへ分析能力や加工能力を与える。それがこれからのIot時代に必須とも言えるアーキテクチャであるなら、前述した会社組織構造というのは、障害にしかならない。そういう時代変化に気付いているか?

 

言い換えれば、データの活用方法は、会社組織構造や部署間のデータに対する考え方を変えなくては、新しい方向へ進むことは出来ない。

 

「データは共有物」「データは会社の所有物」「データの発生源には、データの発生に責任のある部署や人を配置する」

といった、データドリブンによる組織変革策がどこまで取れるか。

 

そしてこういう抽象的な考えは、経営トップ層に、ITエンジニアに限りなく近い人がいなくては、全社活動まで結実しない。

 

優れたボトムアップが日本企業の強みではあるが、それはトップ層がボトムから上がってきた情報を正しく受け止め、解釈し、全社活動へと昇華できる場合に限る。

 

組織内で個々にアイデアを出し、結果を出したグループに裁量権を与えて一気に敷衍するやり方もあるが、サイロ化したデータ構造を広く遍く利用されるプラットフォームへと変化させる試みは、スモールスタートではうまくいかない自信がある。

 

さて、あなたに見える未来は?そこからどんな明日の活動へ結びつく?

現在の延長として未来を考える限り、到達できない未来がある。