過当競争と上がらない賃金
定価1000円で売られている商品があったとする。原価は100円としよう。
生産性向上により、原価を圧縮、原価50円まで下げることが出来た。
ここで、企業が取れる選択肢は2つ。
価格を下げて競争力を高めるか、価格は据え置きで利益向上とするか。
昨今の賃金関係のニュースを追っていると、どうしても競争力向上の方に舵を取り続けているような気がしてならない。
競合他社より1円でも安く。それが唯一の生き残る道だ、と言わんばかりに。
賃金を上げるためには、後者の選択肢しかない、と思う。
そして、今の時代、生産性向上のためのツールや手法は溢れているにも関わらず、ここまで日本が生産性を上げることが出来ない理由は、誰しも、従業員への還元がないことが諦めながらわかっているからではないか?
少なくとも僕はそうだ。自分の生産性向上ツールの作成や取り組みは、自分の趣味以外の何者でもない。
生産性向上を図って、自分の給料が上がるなんてことはないのだ。
むしろ、生産性向上を図ったら、給料が減る可能性のほうが高い。
過当競争が諸悪の根元、と言ってしまうことも出来る。
交差点ごとに複数あるコンビニなどは、明らかに行き過ぎだろう。
資本主義は密度を高めるものだと思うが、密度が高まりすぎると自壊する。
若者たちの時代
最近、若い人たちを指導したり研修したりすることが多く、自分なりに教育などを考えることが多い。
主語が大きい話にはなるが、最近の20代の人たちに共通して見えるのは、「無駄なことはしたくない」だ。
それが何かと言うと、自分自身の得にならないことはしたくない、ということ。
役割はまっとうするが、自分から役割を取りに行くようなことはしない。
例えば、
「これをやりきると、きっと君の成長になると思うよ」といっても、「だから何?それで給料上がって残業せずに帰れるようになるの?」
例えば、
「プロとして金もらって仕事してるんだから、ちゃんと勉強しながらきっちり品質上げていかないとね」といっても、「それは個々人の問題じゃなくて会社の社員教育の問題ですよね」
そんな感じで、目に見える形なくモチベーションを上げることがとても難しい。
もちろん僕は昇給や査定をする立場ではないから、そういった割とメタなことを言っても、それで彼らが動くわけではない。
本題はここからで、これは僕は悩んだとか困ったとか言う話ではない。
上記の会話は、社員の努力に対する見返りについての話である。
彼らはそれを求めている。だけど、彼らを指導する僕はそれを与えることは出来ない。
これは構造の問題だ。
多くの管理職は、それを個人の資質の問題だとみなすだろう。
だが、僕は時がたてばそうみなす人は少数派になるだろうと思っている。何故なら、それに同意する人が年次と経験を重ね、そうした価値観が中心に来るからだ。
年老いた管理職は引退し、働き盛りは一線を引く。ひよっこは前線に出て、一人前になる。
時間は、構造を変化させる。
10年後にメインになるのは、今権力を持つ管理職ではなく、商売の主戦力になる若者たちだ。
つまり、若者たちのモチベーションを上げる方法を模索することこそ、会社が存続する道だと言える。
今までは、終身雇用の名の下に、会社を存続させることこそがモチベーション維持に繋がっていた。
だが、もう時代は変わった。頑張っても目に見えた報いもないなら、会社を変えるだけである。それは競争原理の視点からはとても自然である。
若者たちは、成果と報酬の目に見えた連動を求めている。
やりたいことはやりたくないし、やりたいことで楽をしたい。
価値を持つのは、「やりたくない仕事をする人」と、「最小の労力で最大の成果を生み出す人」。
その価値を持つ人材に、きちんと報酬を与えることこそ、モチベーションが維持される条件だと愚考する。
そうしたことが制度として稼働するためには、まずは「やるべき仕事とそうでない仕事は何か?」「終わらせる仕事とそうでない仕事は何か?」ということを徹底的に考えなきゃならない。
生産性がいつまでも上がらないのは、ここの議論をしないからだと個人的には考えている。
だから、仕事の定義や成果やゴールの明文化を始めたときが、変化の時だ。
若者たちよ、恐れるな。君たちが頑張らないことで、会社が儲からないことで困るのは、老い先短い人たちばかりだ。君らの人生が、年寄りに依存してるわけじゃない。逆だ。年寄りの人生が、若者に依存してるんだ。人生を賭けた持久戦を持ちかければ、100パーセント勝てる戦いだ。だがそれには持久戦を生き延びるだけの戦略がいる。考えるんだ。考えれば勝てる。必ず。
効率のよい働き方
効率、とは何だろうか?
決められた仕事を如何に短い時間で終えることだろうか?
如何に短時間で、多くの売上を稼ぐかだろうか。
効率的、というのは、
労力をかけずに目的を達成する
ことである。
ならば、僕らサラリーマンにとっての、働く目的とはなんだろうか?
僕らは、生計を立てるために金を稼ぐことが目的である。
ならば、どうすれば、労力をかけずに金を稼げるか?
それは、ダラダラと残業することである。
前提として
- 残業代が出る
- 自分の頑張りによって発生した会社の利益が個人の給料に反映されない
という点がある。
しかし、これを満たしている場合、働く目的に対して最も効率が良いのは、なるべく働かないことであることは明白である。
働かないことで会社が傾く?それはそうだろう。当たり前の話だ。
だけど、頑張って身を粉にして働いて会社の利益が計上されても社員に還元されないのであれば、頑張って働くことは、生計を立てる目的に対してどういう位置を占めるだろうか?
当然、生計を立てる上で会社には維持してもらわないと困る。だが、それと社員の無償の頑張りに甘えることは、別問題である。
会社が維持したのは社員の頑張りのおかげ、なのであれば、還元しない理由はどこにあるのか。
言葉の持つ威力
成功者はゆっくりと歩く。何故なら、余裕を持つことを意識しているが故に、人生や器にも余裕が云々
成功者は急いで歩く。何故なら、時間を無駄に姿勢こそが他と違いを作る唯一の方法だと知っている云々
おわかりの通り、上記は言葉遊びにすぎない。
内容に意味はなく、適当に、矛盾しない程度に単語を並べたにすぎない。
嘘をついているわけではない。嘘は良くない。嘘とは、事実と異なることを言うことに他ならない。ならば上記
は嘘ではない。
しかし大事なことは、こんな意味のない言説にも、時々は人を動かすことが出来るという事実である。
また、こういう言葉を適切に、相手と場面を選んで慎重に使うことで、人間関係を非常にうまく構築できることがあるという点もまた忘れてはならない。
相手に迎合すべきときは、相手が喜ぶ言葉を選べばいい。
それが自分の本心と一致していたなら、おめでとう、君は同志を発見したね。
言葉は武器になる。あらゆる意味でそうだ。
だから、言葉は、道具であると認識しなくてはならない。切り傷が癒えることのない刃であると認識しなくてはならない。
本心を言うだけが言葉の使い方ではない。
言葉を組み合わせるだけで、それが表す意味に対して自分がどう思っていても、一度聞いた側からすれば、もう脳裏から離れないのだ。
たとえば、
あなたは…その、言いにくいんですが、ちょっとチャラいですよね
こんな何気ない一言でもそうだ。
相手がどう思っていても、聞いてしまったら最後、頭から離れない。
これが自分の意見でないという意思さえハッキリしていれば、この言葉を出すことは、自分で状況を変えることが出来ることを意味する。
相手に言葉が届いたとき、状況は変わり始めている。
逆に、状況を変えたければ、言葉を出すのだ。
強い言葉は聞いた者を変質させる。それが例え自分自身であろうと。
だから注意しなければならない。
自分自身から出た言葉は、自分の本心であると錯覚しがちだ。
だが、「言葉はただの道具に過ぎない」としっかりと認識し、言葉に惑わされない強い心を持つことで、周囲を変質させる力を持つようになれる。
その後、言葉を操れるようになったあとに来るのは、「自分の本心はどこにあるんだろう?」という自己喪失だ。
とても踊りの上手なムカデさんがいました。
カエルさんは、踊りを教えてもらおうと尋ねました。
『ムカデさん、なんで君はそんなにうまく踊れるんだい?
最初のステップで、上から80本目の足を前に出して、そのすぐあとに下から20本目の足をひっこめていることがコツなのかい?』
そう聞かれたムカデは、もう踊れなくなりました。
自分すら意識していなかったことを、強制的に意識させられたとき、人はもう元に戻れなくなる。これは大変怖いことだ。
だから言葉は使い方に注意が必要だ。何度でも言う。
- 作者: ヨースタインゴルデル,Jostein Gaarder,池田香代子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 1995/06/01
- メディア: 単行本
- 購入: 33人 クリック: 506回
- この商品を含むブログ (172件) を見る
『電気の恋人』はプログラムに携わる人なら抑えておくべき神曲
- アーティスト: MOSAIC.WAV
- 出版社/メーカー: Sham.Studio.
- 発売日: 2011/06/29
- メディア: MP3 ダウンロード
- この商品を含むブログを見る
前奏が1分あるけど、僕はこのバージョンが一番好き。
歌詞がとにかく最高なんですよ。
ノスタルジックを感じさせる旧世代の遺物もあるけど、単調なメロディだからこそ表現出来ている電子感。プログラム感。
恐る恐るスイッチ入れたら 無愛想な“OK”の2文字
「konnnichiwa」って入力しても “Syntax Error”何それ? 読めない・・・
これだけでも秀逸すぎて、目からウロコみたいな汗が止まない。
僕はプログラムに集中したいとき、頭の中でこれを再生したりしてる。社内ではヘッドホンをつけての業務が禁止なんでね…。
mosaic.wavは、電波ソングってだけで敬遠されてるけど、音楽は本物ですよ。
本当に、忌憚なく言って、よく考え抜いて作られた曲ばかりで、何年聞いてても飽きない。
MOSAIC.WAV 迷惑メーリングGIRL/MOSAIC.WAV
- 出版社/メーカー: MOSAIC.WAV
- 発売日: 2008/09/19
- メディア: CD-ROM
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
この迷惑メーリングガールとかも、聞けば聞くほどすごい練り込まれていると感じる。
僕は語彙力が少ないので詳細な説明は出来ないのだが、友人から選択眼はあると言われているので是非とも聞いておくんなせえ。
サンリオピューロランドのホラーイベント「オバケンゾンビランド」閉館後の館内に大量のゾンビ
サンリオピューロランドのホラーイベント「オバケンゾンビランド」閉館後の館内に大量のゾンビ
サンリオピューロランドのホラーイベント「オバケンゾンビランド」閉館後の館内に大量のゾンビ - ファッションプレス
ゾンビ好きにとっては非常に行ってみたいイベントだ。
でも東京なんだよなあ…何か理由をつけていけないもんか。
「目潰しレストラン」はなかなか面白そうな趣向だ。
ゾンビから逃げている状態で、既に電気の失われた世界で、暗闇で声を潜めながら食べる料理というわけだね。自分の食べてるものが見えないというのは、食欲と恐怖心を同時に味わうことが出来る、シンプルではあるが乙な体験である。
ゾンビと視界は結びつきそうで結びつかない。
僕は、「デモンズ」に出てきた盲目の老紳士しか思いつかない。
まああれは厳密にはゾンビというわけではないけど…
- 出版社/メーカー: エスピーオー
- 発売日: 2004/07/02
- メディア: DVD
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
不便なものをあえて使い続ける人たちへ感じる違和感
便利を享受するのに理由は要らないが、不便を受け入れるのには理由がいるのかね。
例えば、決済に便利なクレジットカードを「自分の使った金額がわからなくなるから」といって使わない人たち。
例えば、読書に便利な電子書籍を「自分で所有している感覚、読み進めている感覚がなくなるから」といって読まない人たち。
例えば、タスク管理に便利なクラウドで複数人で共有出来るタスクツールを「自分のノートに書くようにすぐに気軽に書けないから」といって使わず、いつまでもオフラインのノートで書き続けて共有を拒む人たち。
例えば、コミュニケーションに便利なラインなどのツールを「情報がどこに漏れてるかわからないから」といって、キャリアメールを使い続ける人たち。
例えば、世界と繋がるのに便利な英語を「自分たちは日本人であり、ここは日本なので、英語なんて学ぶ必要がない。日本に来る外国人が日本語を学んでくるべきだ」といって英語を学ぼうとしない人たち。
一方、便利を享受する人たちの言葉は簡単。
「便利だから」。
そして、しばらくすると皆、決まってこういう。
「もう昔のようには戻れない」。
技術史はこの繰り返しで紡がれてきた。
あらゆる主張は、大抵どちらかに分類される。
時流に従っているか、抗っているか。
抗う者は気付かない。知らず知らずのうちに、便利を選ぶ人たちに生かされるようになるということを。
世界文明における技術の千年史―「生存の技術」との対話に向けて
- 作者: アーノルド・パーシー,林武,東玲子
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 2001/06/20
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (5件) を見る